2026/10/04
レポート
地球寒暖変化の構造
2万年前、海面は今より120㍍低く、その原因は地球の軌道の
変化だとは聞いていたけれど、詳しい内容は知りませんでした。
ユーチューブを見ていたら偶然、次のチャンネルが見えたので、
自分の理解を定着させるつもりで、ブログに記録させて
頂きました。(感謝)
眺めて頂ければ嬉しいです。

チャンネル 学びたい大人のための大学
2万年前、北アメリカとヨーロッパの北半分は厚さ数キロの氷に覆われ、
海面は今より121㍍低かった。
その原因は、地球の軌道のわずかな変化。
なぜ軌道の変化で地球はここまで変わるのか?
迷子石から、海の底と南極の氷の記録、ミランコビッチの計算、
10万年問題まで
▼ この動画で分かること
・地球全体の日射はほとんど変わらないのに、
軌道の変化で氷期が来る理由
・海の底の泥と南極の氷から、過去の氷の量と
空気が分かる仕組み
・小さな変化を大きくする仕組み(アルベド・二酸化炭素・氷床の高さ)
・なぜ10万年ごとなのか、まだ決着していない
※北緯65度の日射と軌道の曲線は
Laskar ほか(2004)の軌道からこの動画のために計算した。
氷床の広がりの地図はおおよその模式図。
1 氷河期の定義
氷河期: 地球のどこかに氷床がある時期、氷河時代と呼ぶ
氷期: 氷河期の中で特に寒く氷床が大きく広がった時期
間氷期: 氷期と氷期の暖かい時期
現在は間氷期にあたる
グリーンランドの氷床 広さ171万平方キロ 平均の厚さ1673m
2 最終氷期
氷期と間氷期は258万年前から交互に繰り返された
一番最近の氷期で氷床が最も広がったのは
今から26000-20000年前 最終氷期最盛期と呼ぶ
北極を中心とした北アメリカではローレンタイド氷床と呼ばれる氷が
ロッキー山脈の東のカナダをほとんど覆い、
東はニューヨークのマンハッタンに届いていた。
氷の厚さはカナダのケベック州北部で3キロに達していた。
マンハッタンの上にも約600㍍の高さの氷が乗っていた。
(図01最終氷期氷床 参照)

ヨーロッパでは北極を中心としてスカンジナビアから広がった氷が
北ドイツにまで達していた。
(図02最終氷期氷床2 参照)

これだけの氷の元は海の水で、海から蒸発した水が
雪となって陸に降り、夏になっても解けきらずに
積もってゆき、陸の上に氷がたまった分だけ海の水は減る。
海の水が減ったのを確かめたのはリチャード・フェアバンクス
フェアバンクスはカリブ海のバルバドス島の沖で海の底の珊瑚礁を
深く掘り、掘り出したサンゴから、
最後の氷期が終わっていく間の海面の移り変わりを
途切れなく辿った。
1989年ネイチャー誌に発表された結果では、最終氷期最盛期の
海面は、今より121㍍低かったとされている。
見積もりの幅は上下(±)5㍍。
現在のインドネシアの島々は、東はボルネオやバリまでアジア大陸と
つながり、スンダランドと呼ばれる陸地になっていた。
イギリスとヨーロッパ大陸の間、今の北海の部分も陸地だった。
今では海の底に沈み、ドッガーランドと呼ばれている。
(図03陸になった浅い海 参照)

日本付近では日本と外の海をつなぐ海峡が浅いため、
海面が下がると、対馬暖流が日本海に入らなくなった。
寒さのために亜寒帯の森が西日本まで広がっていた。
日本の氷河は日本アルプスと北日本の高い山に
わずかにできただけ。
(図04日本の氷河 参照)

地球全体の寒さは2020年アリゾナ大学のジェシカ・ティアニー達が
海の表面の水温を記録した多くの化学的な手がかりと
気候のモデルを組み合わせて、最終氷期最盛期の
世界の気温の分布を描いた。
地球全体の平均で気温は6.1度低かったと見積もる。
これは海の上も含む地球全体を、1年を通して
平均した値。
2009年オレゴン州立大学ピーター・クラーク達が5704個の年代測定から
氷床がいつ広がり、いつ縮み始めたかを調べた結果、
北半球の氷が融けはじめたのは、2万年前から19000年前の
頃で、きっかけは北の夏の日差しが強まったことだと
している。
(図05融けはじめた時期 参照)

3 氷期が何度もあった証拠
1955年エミリアーニという人が海の泥の堆積物から
酸素の量の増減を水温の変化と考えた。
1967年ケンブリッジ大学ニコラス・シャクルトンは水温より
陸上の氷の量の変化を表していると考えた。
2005年ロレイン・リシッキとモーリーン・レイモは世界の57ヶ所から
取った記録と重ね合わせ、
氷の量が増えると海の中の酸素16の量が減る現象を
利用して
530万年分の酸素同位体比の記録をまとめた(LR04)
約100万年前を境として繰り返しの周期が
4万年から10万年程度に大きく変化している。
(図06氷期サイクル 参照)

陸上の氷は何万年もかけて増え、数千年で減る
というパターンを繰り返している。
(図07陸上の氷 参照)

4 氷の中の空気
大昔の空気は南極の氷の中に閉じ込められている。
1999年ロシア・ボストーク基地でジャン=ロベール・プチらが
42万年分の気温と空気の成分の記録をネイチャー誌に発表。
南極の温度と二酸化炭素は比例している。
(図08氷中の二酸化炭素 参照)

その後、ヨーロッパ10の国のEPICA計画による
南極のドームCの位置で氷を3270㍍まで掘った。
下の岩盤まで後5㍍の深さ。
2008年スイス・ベルン大学のディーター・リュティ達が
このコアの一番古い200㍍を測り2酸化炭素の記録を
80万年前まで遡らせた。
(図 09_80万年前の二酸化炭素 参照)

5 ミランコビッチ
ミランコビッチは過去65万年間、北緯55度、60度、65度で
夏の日射の変化を計算で求めた。
計算には100日を要した。
(図 10ミランコビッチ計算 参照)

6 地球軌道の変化
地球は主に木星と土星の重力によりわずかずつ
引っ張られているため、軌道が少しずつ変わる。
〇軌道の形 今の離心率0.0167 1月3日頃太陽に近い
離心率は約10万年と40万5000年の周期で変わる。
過去80万年では0.004-0.05の間で変わってきた。
〇地軸の傾き 今の傾き23.4度
過去22.1度 ー 24.5度を約4万1000年の周期で
変化している。
傾きが大きいと夏の日射が強く冬の日射が弱い
〇歳差 地球の自転軸は2万5700年周期で
円を描くように変わる
(図 11夏至の日射変化 参照)

7 氷期のペースメーカ
1976年、地球の軌道の変化・氷期のペースメーカ と題する論文が
サイエンス誌に発表された。
スペクトル解析では 23000年(歳差)、 42000年(地軸傾斜)、
10万年(離心率)の変化と同じと判定。
地球の軌道の変化が氷期の変化の根本原因と結論された。
(図 12スペクトル解析 参照)

8 変化を大きくする仕組
氷期と間氷期の変化にはフィードバックが関わっている。
(フィードバック: ある変化が別の変化を引き起こすこと)
〇氷アルベドフィードバック: 氷や雪の白さが日光を反射する。
〇二酸化炭素: 南極では二酸化炭素と南極の気温に相関
二酸化炭素は氷期の温暖化を地球に広げる役割
〇氷床の高さ: 高い位置は気温が低い。
氷床が発達して高くなると氷が融けにくい。
平衡気候感度: 二酸化炭素の濃度変化による気温変化の値
(図 13平衡気候感度 参照)

9 突然の寒冷化
南極の氷とは違う、激しい変化がグリーンランドの氷に残っている。
最後の氷期の間、北大西洋付近の気温は何度も急な寒暖を
繰り返している。
変化は数十年の内に起きたこともあったよう。
最後の氷期の間に25回の変化が起きており、今の気候の安定は
むしろ例外。
最後の氷期が終わりかけた1万2900年前、
北半球では約1000年間、急に寒くなった。
この時期をヤンガードリアスと呼ぶ。
グリーンランドでは気温が最大10度下がった。
その下がり方は3年以内という急なものだった。
この変化は北半球のみ。
寒さは1万1700年前に終わり、今の間氷期となった。
この時代を完新世と呼ぶ。
(図 14グリーンランドの氷 参照)

10 10万年毎の変化の謎
10万年周期の変化は離心率だが、離心率が変えるのは
地球の1年の日射の0.1%。
125万年前から70万年前は4万1000年ごとだったのに、
今は10万年毎のリズムに変わっている。
この変化を中期更新世遷移と呼ぶ。
(図 15陸の氷の量 参照)

10万年周期の理由は今も決着がついていない。
氷床が大きくなるほど重みで地面が下がり、
氷床の高さが低くなる。
そのせいで氷が融けやすくなり一気に融けていくと
考えられている。
北ヨーロッパの地面は年間1cm以下の早さで持ち上がっており、
フィンランドの国土は毎年約7平方キロずつ広がっている。
以上です。
最後までご覧頂きありがとうございました。

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